役割と活動方針

【オープンアクセスリポジトリの役割[ビジョン]】

機関リポジトリは、学術雑誌掲載論文のセルフアーカイブの受け皿として生まれ、オンライン紀要の出版ツール、博士学位論文の制度的公表メディアとしても成長してきた。オープンサイエンスの広がりとともに、研究データの管理・利活用のための学術情報環境の整備が進むなかで、機関リポジトリには、さらに新たな役割を果たすことが求められている。
機関リポジトリを含むオープンアクセスリポジトリは、学術研究機関の情報発信をになう統合的ソリューションの中核概念である。そのネットワークは、教育や社会貢献なども含んだ学術活動を支え、同時に急速に進展するグローバルなリポジトリネットワークにあって我が国のプレゼンスを高める原動力となるべきだろう。

――――――「オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)活動方針 (2022-2026年)」より

JPCOARは上記のビジョンを達成するため、国公私立大学図書館協力委員会と国立情報学研究所との間の協定書に基づき設置された「大学図書館と国立情報学研究所との連携・協力推進会議」と連携し、次の方針に基づいて活動を行っています。

【オープンアクセスリポジトリ推進協会の活動方針】

私たちオープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、オープンアクセスを推進することによって教育研究などの学術成果をオープンにしていくことを使命として、「リポジトリを通じた知の発信システムの構築」(会則第 2 条)を推進する組織であり、3 年間を計画期間とした中期戦略に基づいて活動してきました。
2022 年から 2026 年の 5 年間においては、3 年間の成果をふまえて、活動の方針をさだめることとし、以下の 3 点を重点活動項目として、多様な会員機関の協働により、会員機関のコンテンツの充実支援、システムの整備・運用や我が国におけるオープンアクセス及びオープンサイエンスの推進をはかっていきます。

【重点活動項目(2022-2026 年)[ミッション]】

1.会員機関相互の情報・ノウハウ共有の強化と人材育成 <コミュニティ>

協会は、各会員機関が、個々の特性や置かれている状況に応じて細やかな情報交換を行い、その構成員に業務上必要な研鑽を積ませ、人材を育成していくことができるよう、その機会を創出する。また、協会は、オープンサイエンスに向けた先進的な取組事例(海外事例、類縁コミュニティや会員機関自身によるものを含む)の情報収集・共有化をすすめ、各会員機関が応用・活用できるようにする。また、国内外の関連団体との連携・協力をはかることにより、コミュニティを活性化する。

2.会員機関が公開するコンテンツの多様化と利活用 <コンテンツ> 

協会は、会員機関のリポジトリが擁する学術論文や研究データをはじめとする多様なコンテンツについて、総体として、また、種類ごとに、収集・管理・保存のノウハウを共有する。また、各種識別子を含むメタデータの標準化や FAIR 原則への対応、流通促進を通じて、会員機関構成員の学術成果の普及・利活用を促進することにより、新たな成果につながるようなエコシステムの形成につとめる。

3.リポジトリシステムの維持・発展の促進 <システム> 

協会は、主体的な運営者としての会員機関とともに、JAIRO Cloud を国立情報学研究所と共同運営する。また、会員機関の機関リポジトリが NII Research Data Cloud との円滑な連携を実現できるよう、国立情報学研究所との連携・協力を進めるとともに、会員機関の声を集約して提言を行う。

参考

設立趣意書(2016年4月11日 / 機関リポジトリ新協議会(仮称)設立準備会)
JPCOARオープンアクセスリポジトリ戦略 2019~2021年度(2019年3月13日)
オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)活動方針 (2022-2026年)(2022年3月16日)

広報資料等

オープンアクセスリポジトリ推進協会リーフレット[ver.5](2023.7)
オープンアクセスリポジトリ推進協会ロゴ利用ガイドライン